第21回参院選は29日投開票が行われた。30日未明までの開票の結果、自民党は改選数1の1人区で6勝23敗と惨敗するなど振るわず、橋本龍太郎首相(当時)が退陣に追い込まれた98年の44議席にも届かず、40議席を割る歴史的大敗を喫した。年金記録漏れや「政治とカネ」、格差問題などが影響したとみられる。非改選議席を合わせ与党過半数維持に必要な64議席も大きく割り込む大敗だが、安倍晋三首相は29日夜、引き続き政権
運営にあたる意向を表明した。一方、民主党は改選32議席を大幅に上積みする躍進で、参院第1党の座が確実となった。参院の与野党逆転という事態を受け、与党は極めて厳しい政権運営を強いられることになった。
首相は29日夜、
テレビ番組で「私の国造りはスタートしたばかりだ。これからも首相としての責任を果たしていかなければならない」と退陣を否定。これに先立ち首相公邸で会談した中川秀直幹事長に対しては「どんな結果になっても不退転の決意で臨みたい」と、続投への意欲を示した。
今後の国会運営について首相は、テレビ番組で「第1党になった民主党と協力しながら国づくりを進めていかないといけない」と述べるとともに、衆院解散・総選挙の早期実施は否定した。
惨敗となった1人区は、本来自民党の固い地盤だった。しかし、民主党の小沢一郎代表が1人区に的を絞った選挙戦を展開。東北、
中国、四国、九州の各地方で軒並み議席を失い、当選は29選挙区中、
群馬、
和歌山、山口など6選挙区にとどまった。
特に四国では全敗を喫し、
岡山では片山虎之助参院幹事長が落選、青木幹雄参院議員会長の地元・
島根でも議席を失った。この結果、12選挙区で非改選議席と合わせ「自民空白区」となった。
比例代表も過去最低だった98年の14議席を下回る可能性がある。選挙区と合わせて40議席を割り込むのは確実で、非改選と合わせた同党の参院議席は80台にとどまり、過去最低となる。
自民党が参院で「第1党」から転落するのは、1955年の結党以来初めて。過去の惨敗では、36議席だった89年には宇野宗佑首相が、44議席の98年には橋本龍太郎首相がいずれも退陣している。
また01年の獲得議席と同じ13議席を目指した公明党も、候補を立てた5選挙区のうち
埼玉、神奈川、
愛知で前職が落選するなど議席を大きく減らした。同党候補が選挙区で落選するのは18年ぶり。
一方、民主党は1人区での自民支持層切り崩しが奏功、さらに5人区の
東京や3人区の千葉などで2議席を獲得した。比例代表も20議席を突破する勢いで、04年に獲得した過去最多の50議席を大幅に超え、目標としていた55議席も上回った。
共産、社民両党は比例代表で議席を得たが、自民・民主の対決に埋没し、選挙区での議席獲得はならなかった。国民新党は島根選挙区で自民党から議席を奪った。今回の非改選議席は与党が58、野党61。【中川佳昭】